心の底から信頼した人に深く愛されたら、その人は救われる~人は本当に大切な者のためにしか泣きはしない~

皆川博子著『アルモニカ・ディアボリカ』

 

 

 

ホロスコープを見ると対人関係や特に愛情問題において大切な2-5-8-11ハウス(サクシーデントハウス)の状態から、その人がどのような欲求を持っているかがわかります。2ハウスで自分の価値を感じ、5ハウスでオープンにし、8ハウスで親密に関わり、9ハウスで相手の愛を受け取る・・・・・・ここに葛藤や緊張が見られると、自分に著しく価値を感じるのが難しくなったり、相手を信じることができなかったり、強すぎる承認欲求に振り回されてしまったりするのです。

 

 

私たちは、かなりの深さで「もっと愛されたい」「もっと認められたい」と思っていても、その思いを素直に外に向かって表現することは少ないので、だいたい別のカタチで表れることが多いと思います。

 

周囲の人に気を使って、褒めて持ち上げ、人目に触れるときは常に外見に気を遣い素敵な私で世界と接し、ときに相手の心をコントロールしてしまったり、SNSの「見たよ」や「いいね」が気になりすぎていたり・・・・・・

 

このようなことを続けていると、「ほんとうの私」で世界に接して、その私を受け入れてもらっているわけではないから、やがて疲れて欝っぽくなったり、コミュニケーションを閉ざしてしまうこともあります。

 

とくに第2ハウスは自分の持ち物=自分の価値でもあって、物質社会になってこの傾向はますます強まっているので、自分の容姿や魅力的なパートナーがいること、経済的な成功などといった「周囲に見られること」が価値の確認に使われることもあります。これは珍しくもないことで、こうした品定めって、あらゆる社交的状況で無意識に行われていることですよね。

 

 

サクシーデントハウスを健全に発達させることはそんなに簡単なことではないかもしれません。とくに情緒不安定な人や自己価値の低い人が「自分の持ち物=自分の価値」という概念を信じきってしまうと、外見や物質を通してしか自分の価値を感じられなくなってしまう恐れもあります。

 

摂食障害や買い物依存症も、このハウス間の緊張によく見られるものですが、それらの症状も何とかして自分の自尊心を埋めようとしている行為なのです。

 

 

 

 

先日、私が見ていた知人のチャートを勉強会で皆さんとリーディングし合う機会が得られました。

 

その方は8、11ハウスがかなりデリケートな状態になっていて、また月を守りすぎる性質から社会に出て行きにくさもあるし、期待や評価も大きく、外に行くときはいつも武装して、相手には気を遣い、とにかく何でも負担になってしまうようなチャートだったのです。

水瓶座の太陽と月、8、11ハウスの緊張、木星と海王星で解決するわりに水星ができていないなど、客観的で評価を求め、比較と分析ができるからこそ疲れてしまう。水星の弱さから正統な評価を受け取るだけの力もない・・・・・・

ミッドポイントを見ても、他者との関係と評価をどうしても求めてしまう性質が見て取れました。

 

 

 

自分の価値を他人の評価に委ねてしまうって、とても無力なことだよね。

そこで期待や執着を手放し、って言うのだけれど、この人みたいに本質的にそれが難しい人だっています。ヒーリングやコーチングはメソッドがあって、それをクライアントに提供するのだけれど、占星術のいいところはその人の性質や気質、よく見ていけば本質的なものを知ることができるところ。効果のあるメソッドでも、それが向いてない人、難しい人を理解する助けになるのです。

 

 

リーディングをしていく中でnico先生が言った言葉なのですが、「この人は、ありのままの自分を全部受け入れてくれる、それぐらい本気で向き合ってくれる、心の底から信頼できる人に出会い、心の底から褒められたら、すぐに解決する」。

 

「信頼」は8ハウスのテーマ。そして水サインはそこに一番の価値を見出します。どんなダメなことをしても受け入れてもらえる。たったひとりでも、心底自分を信頼してくれる人がいる。

 

あなたにそういう人はいますか?

 

どれくらいの人がこんな関係性を持っているのだろう・・・・・・

 

だって、そういう人がいないから皆お金を払ってカウンセリングや占い、セラピーに行くんだよね。

 

すべてを投げ打っても、アナタを受け入れます・・・・・・それが自分はできるかな?難しい、けれど切り離されたという幻想の分離感を抱き続けている私たちは、他人にしか救われない。そして、たった一人でもそういう人がいたら、救われる。

 

 

受け入れる、どんな自分でも投げ出せる、そういう器の大きさは個人の月がどれくらい成長しているかにもよる。だから月を育てるためにも、月にとったら辛いことだけど、たくさん太陽活動して月の器を少しでも大きくしていかないといけない。

 

 

精神分析医のR・D・レインは、その著書『引き裂かれた自己』において「どんな私も受け入れてくれる全的な人間を望んでいる」と言いました。それは私たちが深いところで抱く欲求なのでしょう。

 

 

 

愛されるためには、何か特別なことをしなくてはいけない、特別な人間でなくてはいけない、そんなふうに考えがちです。だけどそれを続けていて、相手が自分を愛してくれても・・・・・・一生懸命に相手好みの人間になろうとしているからで、自分の本当の姿を知ったらもう愛してもらえないと感じてしまう。

 

私は瞑想や呼吸法をして、自分の本質とつながるように務めることで少しずつ変わっていったけれど、素直な私を表現したときに相手に拒絶される傷みは何度も体験しました。そこで自分なりの防衛機能も作り、ずっと生きてきました。誰もがそのようなものを抱えていると思います。

 

人がどうやって「私」を取り戻すか、本質につながって表現していくかはそれぞれの道があるのだと思うけれど、その人の魅力や才能、強みが一番発揮されるのは本質であるセンターにつながっている状態です。そしてそこから信頼し合える関係を築いていけたなら、それは幸せなことだと思います。

 

 

TOPの写真は私が好きな皆川博子さんの『アルモニカ・ディアボリカ』。

アンディという青年がペドラムという精神病患者収容施設で残酷な拷問を受けて介抱されるシーンなのですが、僕・・・・・・ナイジェルという青年が、心密かに思っているエドという青年に向けて願いを問う心中が描かれています。

 

 

 

「ディーフェンベイカーさんが看護人を突き飛ばさんばかりに走り寄り、膝をついて、アンディ、アンディと呼びながら抱きしめた。それで、僕は新入りの名前を知った。アンディ、どうして君が・・・・・・アンディ。僕が死にかけたら、ディーフェンベイカーさんはこんなふうに強く抱いて、名前を読んでくれるだろうか。強く抱けば、肌から肌に命が伝わってよみがえらせることができる。ディーフェンベイカーさんは、そう信じているように、僕には見えた。ディーフェンベイカーさんの腕の中で、アンディの手足に、次第に意思がかよってきた。僕は、今、思う。僕が死にかけたら、あるいは死んだら、エド、君は僕を、ディーフェンベイカーさんがアンディにしたように、強く、強く、強く抱きしめて、命を分けようとしてくれるだろうか。

エド、僕をこんなふうに呼んでくれるか。」

 

 

 

 

 

・・・・・・人は、本当に大切な者のためにしか泣きはしない。大切な者の悲しみや死にしか泣きはしない。

 

だけど、たったひとりの人に信じてもらえたら・・・・・・命をわけてもらえたら、その人は救われるのです。

 

 

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2017-09-29 | Posted in 占星術, 本・音楽・映画No Comments » 

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