「僕の肉に食い込んでいるのは、君の魂だ」~マレフィック第12ハウス、護り通すものについて~

ネルソン・マンデラ

ネルソン・マンデラ
第8ハウスに太陽、第12ハウスに月を持つ
 

 

こんにちは!

今日はマレフィックハウスの最後、第12ハウスについて書こうと思うのですが、頭の中では「これからの時代と職業占星術」についての話でいっぱいになりつつあります。気分が本当に変わりやすいですが、そんな自分を楽しむしかありません。修正できるとか、そういう要素じゃないですよね、その人の本質って。

ところで一昨日、仕事でご一緒した方に聞いた話なのですが、無期懲役の人と死刑囚に絵を描かせると、そこにはあきらかな違いがあって、ひとつは死刑囚の絵は鬼気迫っていたりするとか、まぁそれはわかりますよね。あと、死刑囚の絵にはほとんど自分自身が描かれているそうです。これは大きな違いですよね。

自分そのままが描かれていたり、一本の木で自分を表したり、それは人によって違うそうです。

 

自分が、この世から消える。

 

それを思ってみるとどうでしょうか。自分をせめて絵の中に残したい気持ちが死からとりあえず遠い私でもわかります。もし、自分がもう地球に戻る見込みのない宇宙への旅にミッションで旅立つことになったら、きっと溢れるほどの地球への愛を感じて、すれちがう人たちにも笑顔になりそうだし、とにかく人に話しかけるのではないかと思うのです。

やっぱりマレフィックなハウスは生をより実感させてくれるハウス。生きるエネルギーを得る可能性が大きいハウスです。ということで、できるだけホット(笑)に第12ハウスについて書きたいと思います。

 

 

僕の楯になった君の心臓を貫いた銃弾が、僕の肉の中にある。それだけを、僕は強く思っていた。僕の肉に食い込んでいるのは、君の魂だ。護り通さねばならない。

━━皆川博子『双頭のバビロン』より

 

私は第12ハウスって、とても読みづらいなと感じることが多いのですが、一般的な職業で言うとNHK職員など公務員に多いそうです。9、12ハウスは木星的なよりよいもののために命かけてますというくらいの、とにかく大きな理想や目標がないと生きていけない。自衛隊など大義のある人たちもそうですね。昔は国営企業というものがって、国のためという意識を持った国民も多かったそうですが、今の時代はこれはあまりあてはまりません。

本来はジハード(聖戦)の部屋でもあるそうです。目的のためならあらゆる手段が正当化されるほどの使命、懸けるもの。

とにかく第12ハウスが強い人は、その天体はその人の中で善の意識を持っているし、大いなるものを用意しないと彷徨ってしまう。何にハマるかは人それぞれですが、自分がそこにどっぷり浸かれるような、できればより大きなもの。これが一個人にどっぷりハマってしまうと、それはそれで大変だったりします。

そもそも誰かの、何かのために命や自分自身すべてを懸けるなんて、アイコンがいなければ難しい話で、だから天皇がいたころは第9、12ハウスはバリバリにできたそうです。またハリウッドで活躍しているスターも第12ハウスが強い人、多いと聞きました。レディ・ガガとか、時代のアイコンになる人ですよね。

 

古典ではサイン=ハウスとはしないのですが(似たところはあるけれど)、モダンでは第12ハウスは水、魚座、海王星の部屋としますから、スピリット(志)を受け継ぐという意味もあれば、母親の羊水の中、つまり心地よい世界にお隠れになった状態。ある意味、天岩戸にこもって一番心地よいハウスです。Ascから外に飛び出すのは本当に命がけの冒険ですね!

 

では、古典におけるマレフィックハウスとしての第12ハウスを見てみましょう。

 

第12ハウス
Mala Fortuna(不運)、House of Enemies(敵のハウス)

秘密、隠された部屋、正体不明の敵、悲しみ、苦悩、自滅行為。古典的な文献では、隔離、監禁、投獄、追放、迫害などの不幸を示すと記されている。また、魔女の呪いや悪霊による被害にも関わるとされている。現代の心理学的な占星術では、潜在意識、無意識下のコンプレックスを示すとも解釈されている。

 

第1ハウスから見て盲点になるハウスなので、隠された、秘密の、という意味があります。第2ハウスも盲点じゃないかという話なのですが、第2ハウスにある天体はすぐに第1ハウスに移るので、自分自身にそれだけ身近なんですよね。裁判でいったら証人みたいなもので、自分のもののように扱えるので第2ハウスはマレフィックにはなりません。

魔女の呪いというのも現代では鑑定に使えないと思うのですが、当時は悪いことが起こると魔女がやっていると考えていたのです。見えないもののせいにする、ここには陰謀論や魔女狩りなどもありました。

 

「障害の部屋」、「秘密の敵の部屋」とも呼ばれ、反対の第6室が勤労と病気を表すのに対して、引退と静養を意味します。陰謀・迫害・刑罰・秘密の事柄を支配します。入院・収容・犠牲的行為など、すべて世間から隔離されることに関係し、第7ハウスのような公の敵を意味しません。目に見えない敵、通常は隠れていて、予想できない時に現れて悲歎や災難をもたらす敵を示します。自らを破滅に追いやるところの不安や恐怖・心配・劣等感など、本人の心の中に住む敵をも意味します。(ルル・ラブア『占星学』より)

 

南アフリカ共和国の政治家ネルソン・マンデラ(1918~2013年)は太陽を第8ハウス、月を第12ハウスに持ちます。

反アパルトヘイト運動に取り組み、国家反逆罪の罪で終身刑に、ロベン島に収監。

この人のすごいところは、「刑務所に入ってみないとその国のことを本当に知ることはできない」と言っているところでもありますが、島に収監って相当、国にとって邪魔な存在だったということですよね。そしてその島の監獄には、非常にすぐれた思想家やカリスマ的な人物がいました。つまりこれだけ優れた人が捕まっているのですから、国がそれだけ腐敗しているということを意味します。

ネルソンはそこで、さまざま人と出会い、彼の学問を完成させたり薫陶を受けたりしていました。この怖れに向き合う勇敢さ、これはポジティブシンキングなどと言うものではありません。怖いものは怖いのです。それに向き合うから、勇敢なのです。

そして追いやられているからゆえに、彼を助けようという人達が団結しました。見えないところにいるからこそ存在感が増したのです。怖れに向き合う月の勇敢さ、苦難にあってなおアイデンティティを失わない太陽。

それにしても28年くらい収監されています。本当にすごい人ですね・・・・・・

 

これほどの人となると、私たちの日々の暮らしになかなか落とし込めないかもしれませんが、本来マレフィックなハウスで体験することは、これほどの生きる力を与えてくれるものだということはよくわかります。

 

 

 

最後に、私が思う第12ハウス的なお話として、上の方で文章をあげておきました皆川博子さんの『双頭のバビロン』をご紹介します。

 

皆川博子『双頭のバビロン』

 

皆川作品にはどれだけ夢を見させてもらったかわかりません。

この本は引っ越してまで持っていくのですが、ときおり読み返したくなる箇所があるお話なのです。

 

爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。オーストリア貴族の血を引く双子は、ある秘密のため、引き離されて育てられた。ゲオルクは名家の跡取りとなって陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸へ渡る。一方、存在を抹消されたその半身ユリアンは、ボヘミアの「芸術家の家」で謎の少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。アメリカで映画制作に足を踏み入れ、成功に向け邁進するゲオルクの前にちらつく半身の影。廃城で静かに暮らすユリアンに庇護者から課される謎の“実験”。交錯しては離れていく二人の運命は、それぞれの戦場へと導かれてゆく―。動乱の1920年代、野心と欲望が狂奔する聖林と、鴉片と悪徳が蔓延する上海。二大魔都を舞台に繰り広げられる、壮麗な運命譚。 (あらすじより抜粋)

 

ゲオルグとユリアンは名家の生まれなのですが、ふたりはシャム双生児として生まれました。手術が成功してふたりはそれぞれ一人のとして存在することができるようになりましたが、名家らしく、片方の存在は不都合なものなのです。ユリアンは、この世に存在しないものとして隔離された施設で育ち、そこで出会ったツヴィンゲルという少年と魂のつながりとでもいうような深い仲になっていきます。日のあたる道をいくゲオルグと、非在の生を生きるユリアン。そして麻薬のはびこる上海。

なんとなく、第12ハウス的なものを感じませんか?

また第12ハウスは母親の羊水でもあるので、そこにある天体をとても純化して大切に扱うとも見れるのですが、ユリアンとツヴィンゲルの結びつきがとても美しのです。この世に存在しないものとして生きる二人、その二人に残されたものは・・・・・・

 

 

 

おそらくこれが ぼくらに残された最後のものだ

心の思いが それと知らずに早くもいつわりを語る時

ふるえる心に 別の心が耳をかたむけることが

そっと力をこめて握りながら 手に手の寄り添うことが・・・・・・

 

僕の楯になって君の心臓を貫いた銃弾が、僕の肉の中にある。それだけを、僕は強く思っていた。僕の肉に食い込んでいるのは、君の魂だ。護り通さねばならない。ゲオルグが知れば、銃弾の摘出、治療を勧めるだろう。君の死も、ゲオルグには告げない。これは、僕と君、二人だけのことだ。他人は介在させない。他人が容喙(ようかい)してきたら、このことは純度を失う。

 

 

もし第12ハウスを水の部屋だとしたら、水は本心や正体を隠す、秘密を好む。

「ゲオルグ、君がツヴィンゲルの思いとして書いたように、私たちは、誰も関わらせたくなかった。他人は介在させない。二人だけの問題だ」

そうして彼らは世間から隔離され、孤独に、静かに暮らす。そして二人は幸せだ。

 

誰か一個人にどっぷり浸かると大変だとも書きましたが、このようにロマンチックな小説もありますね。

「護り通す」というのが第12ハウスに共通するもののように思います。

 

 

それでは、今日も読みに来て下さり、本当にありがとうございます。

次は職業占星術・・・・・・かな?(*^^*)

 

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2017-04-27 | Posted in 占星術, 本・音楽・映画No Comments » 

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